自動車部品大手のAstemo(アステモ、旧・日立Astemo)は16日、英国事業を担う完全子会社のAstemoユーケーが電動化事業強化に向け、次世代EV(電気自動車)向けのインバーター製造ラインをイングランド北部グレーター・マンチェスター州ボルトンの工場に新設すると発表した。英国の自動車変革基金(ATF)の適用を受け、2027年4月以降に製造を開始する予定だ。
AstemoとAstemoユーケーによる今回の投資は、英国と欧州連合(EU)市場に向けた電動化製品の安定供給が目的。総投資額は最大で約1億ポンド(約199億円)の予定。この投資により、約220人の雇用を確保・創出する見込みという。
■高効率で小型・軽量化を両立
Astemoユーケーのボルトン工場に新設される製造ラインで生産される次世代インバーターは、高効率で小型・軽量化を両立。電磁両立性(EMC)を考慮した設計が施され、厳格な欧州市場の規格にも適合する製品という。
加えて現地での生産体制の構築により、他地域からの製品輸送を回避することで、サプライチェーン全体での「スコープ3」の排出削減にも貢献でき、主要な自動車メーカーが掲げるグリーン調達方針にも適合するとしている。同社は欧州地域のニーズに応える製品供給を通じ、一層の市場シェアの獲得を図る考え。
Astemoユーケーは1997年の設立で、世界の大手自動車メーカー向けにエアフローセンサー、エンジンコントロールユニット、先進運転支援システム製品などを供給している。
2025/7/17


