自動車部品大手の独マーレ(MAHLE)は10日、電気自動車(EV)向けの高効率な車内暖房を実現する熱回収空調システム「HeatX Range+」を開発したと発表した。暖房は特に冬季の低温環境ではEVの航続距離に大きく影響する。HeatX Range+は、従来の排気熱利用システムに比べて約20%の省エネを実現。これにより航続距離が伸びるとともに、車内にはより快適で質の高い空気が提供されるという。

HeatX Range+はエバポレーターが車室内の排気から回収した熱エネルギーを活用。車内から排出される空気がエバポレーターを通過する際に冷媒が熱を吸収し、その蓄えた熱で外気を温め、車内へ供給する。効率的に外気を予熱することで、冬季の低温環境で必要な暖房電力を、従来の排気熱利用システムよりも低減できる。

■約10キロの航続距離延長を確認

マーレはHeatX Range+を一般的な中型のEVを用いて検証し、外気温マイナス7度、車内温度20度の条件下で、約10キロメートルの航続距離延長を確認した。また、酸素を多く含む新鮮な空気を継続的に供給できるため、快適で質の高い車内環境を保ち、窓の曇りも最小限に抑えるとしている。

HeatX Range+はモジュール設計を採用しており、自動車メーカーは既存の車両アーキテクチャーにも容易かつ高いコスト効率で統合可能という。

2026/2/12

 

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