旧サーブ・オートモービルのナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)は25日、天津市で建設中の工場が中国国家発展改革委員会(NDRC)から電気自動車(EV)の生産許可を取得したことを明らかにした。2017年末からサーブの中型車「9―3」をベースとするEV「NEVS 9―3EVセダン」を製造する計画。年産能力は20万台としている。

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サーブ・オートモービルは2000年にゼネラル・モーターズ(GM)の傘下に入った。経営が悪化し、10年にオランダのスパイカー・カーズに売却されたが、11年末に経営破綻し、破産を申請。12年6月にNEVSが買収した。スウェーデンの航空機・軍需品メーカーのサーブABは15年8月、NEVSに対してサーブのブランド名の使用を認めない考えを示したことから、NEVSは16年6月、サーブブランドの使用を中止すると発表した。

NEVSは14年5月にスウェーデン・トロヘッタンの本社工場の生産を停止し、15年6月に天津市で新工場を起工。同年12月には、中国の新エネルギー車リース会社のPanda New Energyから20年までに25万台のEVを供給する契約を受注している。

NEVSの事実上の親会社は、香港に拠点を置くナショナル・モダン・エナジー(NME)。NMEは中国系のステイト・パワー・グループ(国能電力集団有限公司)に属している。国能電力集団はスウェーデンの市民権を持つ蒋大龍(Kai Johan Jiang)氏が04年に北京市で創業したとされる。

2017/1/26

 

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