フォード・モーターは現地時間の10日、ケチャップなどで知られる食品大手のハインツと共同で、トマトの皮を自動車部品の材料として採用するための研究を進めていると発表した。


ハインツの工場で排出されるトマトの皮を原材料とし、ワイヤー類のブラケットや車内のコインホルダー、小物入れなどに加工する。ハインツの廃棄物を削減すると同時に、石油化学系の樹脂部品と置き換えることで自動車の生産による環境への負荷を軽減する狙いだ。ハインツのトマト消費量は年間で200万トン以上に上るという。

ハインツでパッケージング研究開発担当のアソシエート・ディレクターを務めるヴィドゥフ・ナグパル氏は「共同研究はまだ初期段階であり、多くの疑問も残されているが、100%植物由来のプラスチックを開発することができる可能性に期待している」と述べた。ハインツは今後、トマトの皮だけでなく、茎や種を応用する研究も推進する方針だ。

フォードは2年ほど前からハインツやコカ・コーラ、ナイキ、プロクター&ギャンブルなどの異業種メーカーと提携し、100%植物由来の自動車部品材料の開発を推進してきた。これまでに廃棄処分となったジーンズを自動車のカーペットに加工する技術や大豆由来の座席クッション・フォームなど8件が実用化されている。

2014/6/11

 

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