タタ・モーターズ傘下の英ジャガー・ランドローバー(JLR)は現地時間の10日、フロントガラス全面をディスプレー化し、車載カメラで撮影している映像を映し出す技術の開発を進めていると明らかにした。
ドライバーの前に小さめの映像を映し出す従来のヘッドアップ・ディスプレーとは異なり、ドライバーはフロントガラス全面に大きく映し出された映像だけを見ながら運転することになる。JLRは同技術の名称について「ジャガー・バーチャル・ウインドスクリーン」と定めた。
■最適なラインを表示、自分やプロとの仮想対決も
この技術は特にサーキットなどでのスポーツ走行で威力を発揮するとしており、コース内で最適な走行ラインを示すほか、コーナー直前のブレーキング・ポイントをラインの色の変化で表示することなども可能となっている。
さらに、ドライバー自身が過去に同じサーキットを走行した際のベストラップを「ゴースト・カー」として画面に表示し続けることで、自己ベストタイムの更新が容易になるといった機能も持つ。バーチャル・スクリーン技術を搭載する、ほかの車両で記録されたデータを読み込めば、プロのレーシングドライバーと何度も競争することもできる。
このほかに、訓練用の仮想コーンを表示させることも可能となっている。
■3Dでドライバーの動きを認識
同社はまた、ドライバーの動きを3次元で認識する「E―フィールド・センシング」技術の開発も進めていると明らかにした。ドライバーの行動を立体的に認識し、バーチャル・スクリーンと連動することで、より安全な運転が可能になるとしている。
具体的には、ドライバーはジェスチャーによってオーディオやエアコンなど、車内の様々な操作を行うことができる。スマートフォンのタッチパネルが5ミリ幅で指先の動きを認識するように、E―フィールド・センシングでは15センチ幅でドライバーのジェスチャーを認識するとした。
さらに、ドライバーの頭部の位置や視線の方向を認識するこで、バーチャル・スクリーンに映し出す映像を変化させ、ドライバーが常に最適な状態で運転することが可能になるとした。よそ見運転の防止に効果があるとしている。
JLRは動画サイトのユーチューブにバーチャル・スクリーンの紹介映像を投稿している。URLは( http://www.youtube.com/watch?v=FeK9IkSD_nI&feature=youtu.be )。
2014/7/14