自動車部品メーカー大手の米TRWオートモーティブ・ホールディングスはこのほど、日本の大手自動車メーカー3社向けに最新型の電動パーキングブレーキ(EPB)の供給を開始したと発表した。4社目となる自動車メーカー向けの生産も近く開始する予定という。供給先の社名については明らかにしていない。

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TRWの最新型EPBシステムは、通常時は従来型の油圧ブレーキとして機能し、駐車時と緊急時には電動ブレーキとして機能する。一般的なフットペダルやハンドレバーの代わりに電気ケーブルとコントロールスイッチを使用することで車両への搭載性を簡素化するとともに、車内のインテリアデザインの自由度を高め、車室内の新たなスペースユーティリティーの確保や、大幅な車両重量低減につながるという。

さまざまな車載システム、センサーと統合して利用できることが特長。例えば米国の場合、米高速道路交通安全局(NHTSA)の自動車安全基準「FMVSS 111」の改訂によって後部バックカメラの搭載が義務化されるが、EPBシステムをビデオ信号と統合することにより、危険を検知すると自動的にブレーキをかけることが可能になる。

■ESCと統合でドライバー支援も

また、EPBをアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)機能を持つ横滑り防止装置(ESC)と統合することにより、緊急ブレーキ時の安全性をさらに高めることができる。停止時にブレーキペダルを常時踏むことなく車体を停止位置に保持できるブレーキホールド機能や、安全で簡単に車両を再発進できるドライブアウェイアシスト機能も提供しており、渋滞時の運転もサポートする。

TRWは2001年、世界で初めて電動パーキングブレーキの実用化に成功。市場初となる統合型電動パーキングブレーキを投入した。世界全体で累計2500万台超のEPBシステムを供給している。

2014/8/5

 

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