JDパワー・アジア・パシフィックはこのほど、2014年中国新車購入意向者調査(New-Vehicle Intender Study、NVIS)を発表し、中国自主ブランドの新車購入を検討している消費者が13年の27%から今回は16%へと急減していることを明らかにした。特に地方都市で自主ブランド車の人気が大きく落ち込んだとしている。


■自主ブランドは3線都市で半減

自主ブランド車の検討者は昨年に27%となり、12年の20%から増加していたが、今回は11ポイントの2けた減となった。特に南京や武漢、成都、重慶といった2線級都市では昨年の28%から16%に、洛陽や徐州、紹興、桂林といった3線級都市では13年の42%から20%へとそれぞれ大幅に落ち込む結果となった。

今年で6回目となる同調査は、今後1年以内に新車を購入する意向のある中国の消費者を対象に、購入前の意識と検討状況を調べたもの。14年5月から6月にかけて実施され、73都市の新車の購入意向者9727人から回答を得た。

同調査は、ブランド認知、購入検討、検討中止理由などを調べることに加え、新車購入意向者の各車両モデルに対する意識を明らかにしている。今回の調査では、15の車両セグメントに分けられた67ブランドの200モデルが調査対象となった。

■欧州系が最多、日系わずかに改善

中国の新車購入意向者の間では、ドイツのブランドを中心に欧州車の購入を検討している消費者が最も多く41%となり、前回の31%から大幅に増加。実質的に自主ブランドの減少分を吸収する形になった。

日本車は19%で前回から1ポイント改善、米国車は14%で1ポイント減、韓国車は9%だった。

■部門別ではVWが圧勝

セグメント別ではフォルクスワーゲン(VW)が傘下のアウディを含めて15部門中の8部門を制した。特に高級車では多くの部門をアウディとBMWの2強で占める形になった。2番目に多かったのはゼネラル・モーターズ(GM)で3部門。特にビュイックブランドが好評を得ている。

日本車ではトヨタが1部門を獲得するにとどまった。中国車は部門別の首位は獲得できなかったが、小型車では奇瑞汽車のモデルが2部門とも3位以内に入っている。

■ブランド好感度もドイツ勢が優位維持

自動車ブランドに対する親近度と好感度を示すブランド影響度(Brand Influence Score、BIS)では、BMWが首位で1000点満点中の664点を記録。2位のアウディは648点、3位のメルセデス・ベンツは646点、4位の上海VWは642点、5位の一汽VWは639点だった。

■若年層はボディタイプを重視

今回の調査ではまた、年齢層によって重視する項目が分かれる傾向が明らかになった。1960年代生まれの回答者は安全性とパフォーマンス、70年代と80年代生まれの回答者は品質、90年代生まれの回答者はボディタイプを重視しているという。

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2014/9/2

 

 

 

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