ゼネラル・モーターズ(GM)傘下の独オペルは16日、ロシア事業を見直す方針を明らかにした。ウクライナ問題をめぐる西側諸国のロシアに対する経済制裁を受け、市況が悪化したことが原因としている。GMは今年1月からロシア事業を国際事業部門(GMIO)からオペルに移管していた

42227.jpg


オペルはサンクトペテルブルク工場の生産体制を現在の2シフト制から1シフト制に縮小する。これにともない希望退職制度を導入するとした。

ロイター通信によると、同工場の従業員数は2000人で、今回の希望退職制度により500人の削減を見込んでいる。

同工場ではオペル「アストラ」とシボレー「クルーズ」を生産している。GMはロシアでオペルとシボレー、キャデラックの3ブランドを展開しているが、今年1~8月の市場シェア率は7.8%となり、前年同期の9%から縮小していた。

ロシアの新車市場全体は1~8月は12.1%減の158万2713台となっており、特に8月は前年同月比25.8%減の17 万2015台と厳しさを増している。

■現地調達率を60%に

同社はまた、ロシアの通貨ルーブルがユーロに対して大幅に下落していることから、ユーロ圏からの部品輸入を減らすために、ロシア国内での調達を強化する方針を示した。具体的にはロシア国内の工場の現地調達率を60%に引き上げることを目指す。ただし、現時点での現地調達率については明言を避けた。

■調達担当取締役をロシア法人社長に

ロシアでの現地調達率を引き上げるため、同社はオペル・グループの調達担当取締役であったスザンナ・ヴェーバー氏を16日付でGMロシアの社長兼調達・サプライチェーン担当マネージング・ディレクターに任命した。

同氏は1997年にGMに入社し、2010年以降はオペルの調達部門の責任者に就いていた。11年1月にアダム・オペルの取締役、14年7月にオペル・グループの取締役に就任している。

オペル・グループの調達責任者の後任には、GMでシャーシ・システム担当のグローバル調達・サプライチェーン担当エグゼクティブ・ディレクターを務めていたKatherine Worthen氏が就任する。

■アフトワズとの合弁は継続

サンクトペテルブルク工場の直営事業については縮小する一方、2001年に開始したアフトワズとの合弁事業については現状を維持する。16年に小型SUV(スポーツタイプ多目的車)の「ニーヴァ(NIVA)」の次世代モデルを投入する計画も変更しない。

GMアフトワズは同国南西部のサマラ州トリヤッチに工場を置き、02年からニーヴァの生産を開始。16年からの新モデル生産に向けてプレスやボディー製造の新工程、物流センターの建設を進めている。

一連のロシア事業の再編についてオペルのカール・トーマス・ノイマン最高経営責任者(CEO)は「2013年の当社にとって、ロシアは英国とドイツに次ぐ3番目の重要市場だったが、現在は深刻な混乱に直面している。ロシア市場の長期的なポテンシャルは確信しているものの、販売台数の減少とルーブル安からの打撃は重大なプレッシャーとなったため、リスクを抑え込むための措置を取った」と説明している。

2014/9/17

 

 

 

 

 

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する