米系調査大手のJDパワー・アジア・パシフィックは11月28日、中国の商品性評価調査(APEAL)の結果を発表した。新車を買ったユーザーから、自身が購入した車両の外観や内装、走行性能などの魅力について評価を求め、1000点満点で指数化したもので、点数が高いほど評価が高いことを示す。


■業界平均が3年連続で低下

業界平均は3年連続の下落で800点となり、ピーク時だった2011年度の825点からは大幅に低下した。13年度は804点、12年度は822点だった。ブランド別ではランドローバーが昨年に続き2年連続で首位。量販車では東風悦達起亜が首位、北京現代が2位となり、現代・起亜グループが優位に立っている。

同調査は、全国51都市で昨年10月から今年6月までに新車を購入した2万731人からの回答を集計しており、62ブランドの212モデルが対象となった。調査を実施した期間は今年の4~8月。内外装やスペース・室内空間、座席、エアコン、ドライビング・ダイナミクス、エンジンとトランスミッション、安全性など10のカテゴリーで計82項目について調べた。

 
■上海GMと一汽VWは2部門で首位

部門別では現代自動車が4部門で首位を獲得。上海ゼネラル・モーターズ(GM)と一汽フォルクスワーゲン(VW)が2部門で首位となった。日系はトヨタが大型SUV(スポーツタイプ多目的車)での首位だけにとどまったが、昨年までの2年連続の無冠状態は解消したことになる。

中国の自主ブランド車は吉利汽車と北京汽車がそれぞれ1部門ずつ獲得したほか、吉利集団傘下のボルボが中型SUV部門の首位となっている。

■高級ブランドの評価が低下

今回の調査結果では、量販車に比べて高級車への評価の落ち込みが目立った。高級車のスコアは前年比で11ポイント減となっており、量販車の3ポイント減を上回っている。

JDパワーによると、高級車への不満で特に目立ったのは座席関連、次いで後部座席のエンターテインメント装置ディスプレーの画質と重低音の音質だったとされる。

エンターテインメント装置は従来から高級車の満足度を左右する大きな要因であったが、今回の調査では重要度が相対的に低下。カーナビやハンズフリー通信機、ブルートゥース接続などの機能の有無による評価の格差は09年度の41点差から今回は22点差へと半減している。これらの機器の高級車への装備率が09年の60%から80%へと上昇したことが背景にあるもようだ。

JDパワーはAPEAL調査について、初期品質調査(IQS)と対をなすものと位置付けている。IQSは新車購入後90日間に顧客が経験した不具合といったマイナス面に焦点を当てるが、APEALでは魅力度という新車のプラス面を調査する。

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2014/12/1

 

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