ダイキン工業は2日、ベルギーの化学メーカー大手ソルベイ(Solvay)から欧州の冷媒事業を買収すると発表した。欧州の冷媒事業に本格参入し、自動車向けフッ素材料事業を拡大する。2018年にはグローバルの冷媒事業で300億円以上の売上高を目指す。


ソルベイは1863年の創業で、樹脂やゴム、電池、医薬品などの製造・販売を手掛ける。欧州の冷媒事業は主に自動車向けで、独フランクフルトに生産拠点を置き、従業員数は約80人、2013年の売上高は5300万ユーロ(約70億4000万円)に上る。

ダイキンは、仏リヨン市のダイキンケミカルフランスのほか、日本と中国の拠点からさまざまなフッ素材料を供給。とりわけ欧州の自動車メーカー向けには、燃料透過規制に対応した材料やターボチャージャー用材料など、先進的なフッ素材料を提供してきた。今回の買収により、欧州の自動車メーカーとの関係をより強化し、顧客ニーズに応じた商品開発を加速することで、自動車向けのフッ素材料の拡販も実現する考え。

同社はまた、冷媒ガスの回収・再生、自動車向け冷媒の生産についても、15年度中に取り組みを具体化する方針だ。

欧州では、温室効果のあるフロンガスを規制する「Fガス規制」により環境影響度の低い冷媒への転換が求められている。ダイキンは、空調機器と冷媒を合わせ持つ唯一のメーカーとしての責任を果たすと同時に、温暖化係数(GWP)が低く環境負荷が少ない冷媒の普及によって、地球温暖化の抑制に貢献するとしている。

2015/2/3

 

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