韓国の鉄鋼大手ポスコは16日、同社が出資するSNNCの全羅南道光陽市の光陽フェロニッケル工場が総合竣工式を開き、本格的な第2期の稼働を開始したことを明らかにした。第2期の能力増強事業で生産能力を現在の年間3万トンから5万4000トンに拡大。これによりポスコはニッケル自給率を80%まで引き上げ、ステンレス鋼のコスト競争力を向上させる。

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SNCCは2006年5月、ポスコとニューカレドニアのニッケル鉱石輸出最大手SMSPがそれぞれ49%と51%を投資して設立。ステンレス鋼の主原料であるフェロニッケルとその他の副産物を生産・販売している。

ポスコは、ニッケル鉱山とニッケル製錬、ステンレス鋼の製造まで続く安定した一貫製造体制の構築が、グローバル市場での同社グループの地位を一層高めるとしている。

■ニッケル専用埠頭を新設

今回のフェロニッケル工場の竣工に先駆け、光陽港コンテナ埠頭にニッケル鉱石専用の埠頭を設け、取扱量が増加しても船舶の渋滞なしに操業が可能となった。

ニッケル製錬業界で初となる連続アンローダー(CSU、Continuous Ship Unloader)を採用したニッケル鉱石専用の荷役設備を備えることで、従来の荷役設備から発生していた問題を改善。荷役効率の向上と滞船料の節減などで物流競争力を高めた。

ニッケル含有材料は、ステンレス鋼、ニッケル合金、ニッケルめっきなどの形で、広く自動車部品材料として採用されている。

2015/3/17

 

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