中国の自動車メーカーでボルボ・カーズを傘下に持つ浙江吉利集団は27日、子会社のロンドン・ブラック・キャブ(LBC)がイングランド中部コベントリー市で新工場を建設すると発表した。研究開発(R&D)センターも併設するとしており、総投資額は2億5000万ポンド(約444億円)に上る。

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新工場はコベントリー市ホーリーヘッド・ロードにある既存の本社工場に近い同市内のアンスティ(Ansty)地区に立地する。敷地面積は8万5000平方メートルで、電気自動車(EV)を中心とするタクシー車両を年間で3万6000台生産する能力を持つとした。新工場は本社工場の約10倍の生産能力を持つことになるという。

新工場ではR&Dセンターも含めて最大で1000人の雇用が創出されるとした。英国のキャメロン首相は「吉利による投資は英国経済に対する信任投票だ。LBCはロンドンの象徴であり、その次世代モデルが最新の工場で生産されることは喜ばしいことだ」と述べた。

■ロンドン市のULEVタクシー規制に対応

次世代タクシー車両は2017年末までに生産を開始し、英国内で発売する計画。18年以降は中国を含む海外への輸出を目指す。ロンドン市は昨年1月、市内を走行するタクシーの新規登録を2018年1月からEVやプラグイン・ハイブリッド車(PHV)など、排気ガスを出さない超低排出車(ULEV)に限定すると発表。市内中心部ではバッテリーを利用した走行のみが義務付けられる見通しとなっている。

ロンドンでは20年までに市内中央部に世界初の「Ultra-Low Emission Zone(超低排出地域)」が設定される予定。ロンドンには14年1月の時点で充電設備が約1400カ所あり、18年までに6000カ所に増やす計画とされていた。

■EVメーカーも買収済み

ロンドン市の発表を受け、吉利集団は昨年3月に商用EVメーカーの英エメラルド・オートモーティブを買収すると発表。その際には買収目的について「次世代タクシー開発力の向上のため」と説明していた。

2015/3/30

 

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