ダイムラーは現地時間の1日、独東部のザクセン州で自動車用リチウムイオン電池を製造する新工場を建設すると発表した。投資額は5億ユーロ(約616億円)に上る。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に搭載するとしており、主に電池パックを製造するもようだ。


完全子会社のドイツ・アキュモーティブ(Deutsche ACCUmotive)がザクセン州カーメンツに保有する既存工場に隣接した20万平方メートルの用地を買収した。今年の秋に起工し、2017年の夏ごろに生産を開始する予定としている。

第2工場の設置により、ドイツ・アキュモーティブの生産エリアの面積は現在の2万平方メートルから6万平方メートルへと3倍に増加する。

ダイムラーのツェッチェ最高経営責任者(CEO)は「自動車の完全電動化に近づくためには、重要部品である電池への投資を継続する必要がある。今回の措置は、エレクトロモビリティの持続的な成長に向けた当社の決意を示すものだ」と述べた。

■投資額を5倍増
ダイムラーは14年12月にもドイツ・アキュモーティブに今後数年間に約1億ユーロ(約123億円)を投資すると発表していたが、今回の発表で大幅に投資額を引き上げたことになる。

ドイツ・アキュモーティブは2009年の設立で、ダイムラーの本社があるシュツットガルト近郊のナベルンに本社と研究開発部門を置く。従業員数は約380人で14年12月時点の260人から大幅に増えた。カーメンツ工場に260人、ナベルン本社に120人を配置している。これまでに7万台分の電池を生産したとされる。

今後は自動車向けだけでなく、発電事業者向けや大規模プラント向け、一般家庭向けの蓄電システムの事業化にも取り組む方針だ。

2016/3/3

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する