国連欧州経済委員会(UNECE)傘下の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)は9日、歩行者などにハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの接近を知らせるための音を発生させることを義務付ける規制案を採択した。


同規制案の名称は「Regulation on Quiet Road Transport Vehicles (QRTV) 」で、加盟国に対し、HVやEVには人工音発生装置の搭載を義務付けるよう求めている。音量はガソリンエンジン車と同等となっており、時速0~20キロメートルの前進時と後退時に発生させることになった。

具体的には時速10キロでの走行時に50デシベル、20キロでは56デシベル、後退の際には47デシベル以上の音量にすることで、歩行者や自転車ユーザーに車両の接近を周知する。時速20キロを超えるとHVやEVでもロードノイズや風切り音のほうが大きくなるため、人工音は不要と判断した。

また、将来的に歩行者検知システムなどが普及した場合には、基準値を下方修正することも検討する。規制案の全文はウェブサイト( http://www.unece.org/fileadmin/DAM/trans/doc/2016/wp29/ECE-TRANS-WP29-2016-026e.pdf )で公開された。

■米国の規制案は28.8キロ未満で発生
今回の規制案と同様の取り組みは米国でも進められている。2013年1月に発表された米運輸省の規制案では、EVとHVに対して、時速18マイル(約28.8キロメートル)未満での走行時に歩行者などが車の接近に気付くことができるような音を出すことを義務付けるとしていた。

2016/3/10

 

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