トヨタ自動車の欧州統括会社トヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME)は14日、ロシア西部サンクトペテルブルク市の工場で8月からスポーツタイプ多目的車(SUV)の新型「RAV4」の生産を開始することを明らかにした。ロシアのほか、ベラルーシ、カザフスタン向けに供給する。RAV4はトヨタが欧州で生産する9番目のモデルとなる。

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同社は2013年9月、16年からロシアでRAV4のCKD生産を開始すると発表しており、予定通り計画を実行する。

ロシアの生産拠点トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ロシア(TMMR)は05年5月の設立で、サンクトペテルブルク市に本拠を置き、07年12月に生産を開始。工場の敷地面積は約220万4000平方メートルで、年産能力は約5万台、従業員数は約1600人となっている。

■生産能力は10万台に倍増
同工場では現在、セダン「カムリ」をCKD生産しており、RAV4の生産開始により、生産能力は10万台に倍増する見込み。新たに800人の雇用が創出される見通しだ。

RAV4生産のため、TMMRはこれまでに71億ルーブル(約115億円)を追加投資。工場の拡張や生産ラインの拡大、自動溶接機のほか、組立とスタンピングの自動化を進めるための新機器の導入などにより、コンベア速度は今年5月から現在の2倍になるという。

15年のロシア国内の新車販売台数(乗用車、小型商用車)が前年比35.7%減の160万1216台と3年連続で落ち込むなか、トヨタの販売台数も減少しているが、市場シェアは前年比0.1ポイント増の7.5%と過去最高を記録し、日本車としてはナンバーワンブランドとなっている。

2016/3/15

 

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