日信工業は1日、同社と同社の子会社が行う四輪車用のブレーキ・コントロール(メカトロ)とブレーキ・アプライ(バネ上)システム、関連する部品の開発と設計、製造、販売に関する事業を、スウェーデンのオートリブと合弁会社化したと発表した。会社分割と事業譲渡、現物出資、株式譲渡の方法により、3月31日にすべての手続きが完了したという。


合弁会社は、日本と中国、米国を中心に事業を展開する。日本では長野県上田市に「オートリブ日信ブレーキシステムジャパン」、中国では広東省に「Autoliv Nissin Brake Systems(Zhongshan)」、米国ではオハイオ州に「Autoliv Nissin Brake Systems America」をそれぞれ設立した。出資比率は日信工業グループが49%、オートリブが51%
日信工業は二輪車用と四輪車用のブレーキ事業を展開。二輪車のブレーキ事業では、油圧ブレーキシステムで世界シェアの約70%を保有し、ブレーキシステム全体でも世界シェア25%を確保している。同社は四輪車事業の潜在成長性を最大限に取り込むためにはグローバル展開と技術力強化を迅速に行う必要があるとして、自動車安全分野で大きな存在感を持つオートリブと組み、事業を共同で展開していくことを決めた。

■ESC分野の協業で信頼感
合弁会社のパートナーとなるオートリブは、世界27カ国に80拠点、6万4000人超の従業員を有する世界有数の自動車用安全システムサプライヤー。同社と日信工業はこれまで横滑り防止装置(ESC)の分野で協業を行い、中国市場向けESCの共同納入などを通じて相互理解を深めてきた。今後は、日信工業が持つブレーキシステムの技術力と生産力に加え、オートリブが持つ電子制御ユニットやレーダーセンシング技術、グローバルメーカーへの顧客基盤を活用することで、メカトロおよびバネ上事業のさらなる成長を目指す。

2016/4/4

 

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