三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は12日、独シュツットガルト市で小型の電気自動車(EV)のトラック「キャンター E―CELL」の実用試験を開始したと発表した。同市と物流事業会社ヘルメスに計5台提供し、1年間にわたって試験を行う。

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ダイムラーのトラック・バス部門の総責任者であるウォルフガング・ベルンハルト取締役は「現代のディーゼルエンジンは高効率で環境性能に優れているため、長距離輸送で今後も引き続き使用される一方で、都市内部の短距離輸送では一部の車両を数年以内にEVトラックに移行していくことは技術的、経済的に実現可能」と指摘。電気トラック技術の開発や実用試験を通じ、都市モビリティに貢献していく考えを示した。

ポルトガルでの試験では、EVトラックはディーゼルトラックと比較して1万キロメートルの走行で約1000ユーロ(約12万4000円)の運用コストの削減となったという。

シュツットガルト市に提供する4台のトラックのうち2台はダンプ仕様で、道路・都市景観工事に使用。2台はバン仕様で、家財運搬とゴミ収集に使用される。また物流事業会社に提供する1台は都市内配送に使用される。

MFTBCはこれまでEVやハイブリッド車(HV)などの次世代トラックの開発に4000万ユーロ(約49億4000万円)を投資。実用試験で使用するキャンター E―CELLはポルトガルのトラマガル工場で製造されている。

2016/4/13

 

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