フォルクスワーゲン(VW)は1日、5月に3億米ドルを出資することで合意していた配車サービス企業のゲット(Gett、旧Get Taxi)との提携について具体化な協業の内容を明らかにした。2017年の上半期中にベルリンなどのドイツ国内の大都市で配車サービスの営業を開始する方針だ。


VWはまた、ゲットの契約ドライバーに対してVW車を格安で販売する特別パッケージや特別ローン、保険契約などを用意する。ドイツ国内から開始し、ほかの欧州諸国へも展開していくため、VWブランドだけでなく、セアトやシュコダといったグループ傘下の量販車ブランドの車両についても同様に販売する。アウディやポルシェといった高級車ブランドについては通常の配車サービスではなく、運転手付きのハイヤー・サービスでの展開を検討するとした。

ゲットは現在、ロンドン、モスクワ、ニューヨークを含む世界60都市でサービスを運営しており、特にロンドンではブラックキャブと呼ばれるタクシーの半数がGettアプリを利用できる状態になっている。米ウーバーとは異なり、乗客を乗せた車両を運転する免許を持ったプロのドライバーと契約していること、安全性や信頼度などを特長として訴求している。

■モビリティー需要の把握でも協力
ゲットのアプリには顧客のオンデマンドな移動ニーズを把握していくためのアルゴリズムが組み込まれている。このことから両社は、都市部でのモビリティ・ニーズの把握、個々の顧客ごとに合わせたテイラーメイドなモビリティ・ソリューションの開発といった面でも協力するとした。ニーズを把握したうえで自動運転技術の開発にもつなげる狙いもあるという。

2016/6/2

 

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