スウェーデンの自動車ブランド、サーブの運営会社であるナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)は21日、2017年に初の電気自動車(EV)の量産を開始するに当たり、サーブブランドの使用を中止すると発表した。これにより、約70年の歴史を持つ自動車ブランドが消滅することになる。スウェーデンの航空機・軍需品メーカーのサーブABは昨年8月、NEVSに対してサーブのブランド名の使用を認めない考えを示していた。

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サーブABは1947年に自動車部門を設立し、90年にサーブ・オートモービルとして分離。同社は2000年にゼネラル・モーターズ(GM)の傘下に入った。09年には経営が悪化し、10年にオランダのスパイカー・カーズに売却されたが、11年末に経営破綻し、破産を申請。12年6月にNEVSが買収した。

NEVSの事実上の親会社は、香港に拠点を置くナショナル・モダン・エナジー(NME)。NMEは中国系のステイト・パワー・グループ(国能電力集団有限公司)に属している。国能電力集団はスウェーデンの市民権を持つ蒋大龍(Kai Johan Jiang)氏が04年に北京市で創業したとされる。

■天津工場でEV生産へ
NEVSは14年5月にスウェーデン・トロヘッタンの本社工場の生産を停止し、15年6月には中国・天津市で新工場を起工。同工場の年産能力は10万台で、サーブの中型車「9―3」をベースとするEVを生産する計画となっている。

NEVSは昨年12月、中国の新エネルギー車リース会社のPanda New Energyから2020年までに25万台のEVを供給する契約を受注している。

2016/6/23

 

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