ドイツの自動車部品大手エバスペヒャー(Eberspaecher)は2日、テューリンゲン州のヘルムスドルフ・イースト工業団地にある既存工場の近隣で新工場の建設を開始したと発表した。電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)に搭載されるPTC(Positive Temperature Coefficient、正温度係数)ヒーター用のセラミック材を製造する。


新工場の建屋面積は1万平方メートルで、2800平方メートルの開発センターも併設する。昨年10月に公表した投資計画では今年の春に完工するとしていたが、起工が遅れたため、操業開始は今年の11月ごろまでずれ込む見通しとなった。

同社は2016年7月、Paul Rauschert Steinbachのヘルムスドルフの工場を買収。現在は約80人が同工場に勤務している。新工場の建設により、最大で150人まで増えることとなった。

■80万台超のEVとHVに供給実績

エバスペヒャーは2010年からPTCヒーターの生産を開始し、これまでに世界で80万台以上のHV/EVに搭載されている。EVにはエンジンが存在せず、エンジン排熱を利用できないため、暖房器具の選択肢の一つとしてPTCヒーターが採用されている。

PTCヒーターはスイッチを入れた後、電流が流れて温度が上がると次第に電気が流れにくくなる特性を持つため、一度温まると無駄な電力を消費しないといったメリットを持つ。

2018/3/6

 

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