中国の電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴(アリババ、本社:浙江省杭州市)傘下の物流会社、菜鳥網絡(Cainiao Network、ツァイニャオネットワーク)と中国のセンサー開発会社のロボセンス(RoboSense)は5月31日、回転機能を持たないソリッドステート式のライダー(Lidar、レーザー光線を使った距離計測技術)を搭載した自動運転(自動走行)の運搬用車両「Gプラス」を発表した。


Gプラスは、ロボセンスが開発したソリッドステート式ライダーの「RS-LiDAR-M1Pre」を前部に2台、後部に1台、それぞれ搭載。これによりクリアな3Dビジョンが得られるとしている。RS-LiDAR-M1Preは、MEMS(micro electro mechanical system)ミラーを採用。従来のマルチビーム式のライダーが100以上のレーザーの送受信を必要としていたのに対し、わずかなレーザーエミッターとレシーバーで同様の精度を得られるとしている。

■物流車両の無人化に寄与

両社はGプラスは量産が可能で、物流部門の車両の無人化を急速に拡大できると主張している。用途としては、宅配用の車両のほか、商品のセルフピックアップ用ステーション、移動式コーヒー自動販売車などが想定されるという。

ロボセンスは2014年、ハルビン工業大学の数人の博士によって設立され、ライダーのほか、3Dデータ処理アルゴリズム, ロボット認識ソリューションなどのディープラーニング技術を開発している。

2018/6/1

 

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