ドイツの自動車内装部品メーカー大手グラマーの取締役会と監査役会は6日に共同声明を発表し、筆頭株主である中国の同業、寧波継峰汽車零部件(Ningbo Jifeng Auto Parts)が5月29日に提示した買収提案を受け入れるように、ほかの株主へ呼び掛けた。継峰汽車零部件はグラマーの株主に対し、1株当たり現金60ユーロ(約7785円)の買収額を提案している。


寧波継峰汽車零部件はすでにグラマー株の25.5%を保有。今回の買収によってグラマーの株式の過半を取得することが可能となる。継峰汽車零部件は昨年10月、グラマーに約20%出資するボスニア・ヘルツェゴビナの同業プリベント(Prevent)の発言力を弱めるための、いわゆる「ホワイトナイト」としてグラマーへの出資を拡大した経緯がある。継峰汽車零部件によるグラマー株主に対する買収提案は今月23日に締め切られる。

グラマーと継峰汽車零部件は5月、企業結合協定(Business Combination Agreement)を締結することでも合意。グラマーと継峰汽車零部件が独立した経営を維持することや、グラマーの従業員の7年半に及ぶ雇用維持、グラマーが労働者側の同意なしにスピンオフ(分離・独立)や上場廃止などを実施しないことのほか、グラマーにとって損害となるような形でグラマーの知的財産権やノウハウなどを継峰汽車零部件側が利用できないことも盛り込まれた。

2018/7/9

 

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