燃料電池(FC)を開発する英セレス・パワー(Ceres Power)は10日、中国の大手エンジンメーカーのイ(さんずいに維)柴動力(Weichai Power、ウェイチャイ・パワー本社:山東省イ坊市)と戦略的長期提携で最終合意に達したと発表した。今回の合意には、中国でのFC製造の合弁会社設立契約と、同合弁会社へ主要技術の移転に関するライセンス契約、900万ポンド(約12億8000万円)の新規共同開発契約が含まれる。今回の合意に伴い、イ柴はセレスに対する2800万ポンド(約39億3800万円)を追加出資する。これによりイ柴によるセレスへの出資比率は10%弱から20%に上昇する。


■山東省に合弁工場を建設
両社は共同開発契約に基づき、中国の電動バス市場向けの初のFCレンジエクステンダー製品を開発。2年以内にバス10台用のシステムを開発し、試験を行う。試験が成功した場合、2020年をめどに山東省に合弁会社を設立し、大規模なFC製造施設を建設する計画。出資比率はイ柴が51%、セレスが49%となる。

合弁会社は、セレスからの技術移転が完了し次第、ライセンス契約に従ってスチールセル・システム、スタック、FCを製造する。ライセンス契約は、中国の商用車、バス、一部の定置型電力の各市場に関連した独占および非独占使用権で構成される。段階的な技術移転プログラムの下、セレスは最大3000万ポンド(約42億6800万円)の支払いとロイヤリティを受け取るほか、将来的には配当が支払われる。

中国のバス市場は、商用車市場や定置型電力市場とともに、同合弁事業にとって数十億ドル規模の市場機会をもたらす見込みという。

2018/12/11

 

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