三菱ケミカルは11日、炭素繊維複合材料のSMC(Sheet Molding Compound)の製造設備を、同社が44%出資する伊CPC(本社:エミリア・ロマーニャ州モデナ市)の隣接地に新設すると発表した。2020年9月の稼働開始を予定する。


同社が開発したSMCは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の中間基材の一種で、長さ数センチメートルにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。プレス成形により2~5分程度の短時間で部材に加工可能であることに加え、連続した炭素繊維に樹脂を含浸させた中間基材であるプリプレグと比べ、複雑な形状の部材を成形することができるという特長がある。

同社は現在、愛知事業所(愛知県豊橋市)でSMCを製造。国内では自動車のドアインナー、ラゲッジインナーやバックドアの構造材などに採用されており、欧州ではCPCを通じてCFRPを主構造材としたモビリティ分野の開拓を行ってきた。現在、欧州の高級車メーカーを中心に複数社から材料認定の取得を受けるためにSMCの開発を進めており、今後もその採用が増えていくことが期待されているという。

2019/7/12

 

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