ドイツの自動車部品大手ZFが2日発表した2019年上半期(1~6月)決算は、売上高が前年同期比で約1.7%減の約184億ユーロ(約2兆1790億円)だった。調整後のEBIT(利払い前・税引き前利益)は17.4%減の6億4600万ユーロ(約765億円)となった。シャイダー最高経営責任者(CEO)は、グローバルレベルで直面している経済状況の悪化と自動車市場の冷え込みを受け、19年通期の見通しを下方修正。売上高を360億~370億ユーロ(約4兆2630億~4兆3816億円)、EBITマージンを4~5%としている。


上半期の大型商用車と産業機械の市場は安定している一方、中国を中心とするほぼすべての主要な乗用車市場の販売減少により、売り上げ成長が鈍化した。また、英国の欧州連合(EU)離脱や関税、貿易問題などの政治的要因がネガティブに作用した。さらに研究開発(R&D)投資の増加と、電動ドライブ関連の拠点の新設とそれに伴う初期費用が影響した。

■電動化や自動運転向け投資は継続
ザウアー最高財務責任者(CFO)は「電動化や自動運転など将来に向けた投資は継続しながら、必要に応じた人員の調整を含め、通年での決算を改善する施策を行っている」と述べた。不調が明確な分野では投資の延期や減額も検討するとしている。

同CFOは、予定されている商用車向けブレーキ製造大手のワブコ(WABCO)買収について、「強固な財源を長期的に確保している」と説明。買収額は70億米ドルで、ZFは今年の夏の終わりごろを目途に債務証書とユーロ債の発行を計画している。

2019/8/5

 

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