住友化学は5日、欧州子会社の住化ポリマーコンパウンドヨーロッパを通じ、トルコの樹脂コンパウンドメーカーのEmas Plastikとその関連会社を買収し、グループ会社化したと発表した。ポリプロピレン(PP)コンパウンド事業のグローバル展開をさらに推進する。買収額は公表していない。


PPコンパウンドは、PPに合成ゴムやガラス繊維、無機フィラーなどを混練し、耐衝撃性や剛性などを向上させた高性能な材料で、自動車のバンパーや内装材、家電製品の筐体(きょうたい)などに使用されている。トルコは欧州への輸出拠点として多くの企業が自動車や白物家電の生産拠点を構えており、PPコンパウンドの需要は、引き続き堅調な拡大が見込まれているという。

■廃プラスチックの調達にも強み
Emasグループは1984年の設立で、トルコ国内で最大級のPPコンパウンドの生産能力を持つ。また、廃プラスチックの調達に強みを持っており、それらをリサイクル材料として用いたPPコンパウンドで、国内トップの販売量を誇る。

住友化学は今回の買収により、トルコ国内の自動車メーカーと家電メーカーへの生産、販売体制の強化に加え、環境意識の高い欧州でのリサイクル材料を使った製品の需要増加に対応していく考え。

2019/8/6

 

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