東レは28日、スウェーデンのエアバッグ縫製メーカーのアルバ・スウェーデン(Alva Sweden)の全株式を取得し、同社と同社のポルトガル子会社のAlva_Confeccoesと北アフリカのチュニジア子会社のAlva_Tunisiaを買収すると発表した。買収額は公表していない。

東レのエアバッグ事業は現在、原糸3極(日本、タイ、メキシコ)、基布6極(日本、タイ、中国、チェコ、インド、メキシコ)のグローバル拠点を持ち、原糸・基布一貫の競争力と、全拠点から同品質の基布をタイムリーに供給できる生産・販売体制を武器に、積極的に事業拡大を推進している。

アルバ・スウェーデンは1948年にアパレル縫製メーカーとして創業。97年から欧州でエアバッグ縫製事業を展開しており、最新設備を活用した独自の縫製技術や生産ノウハウとコスト競争力が欧州の有力モジュールメーカーから高い評価を得ている。2018年12月期の連結売上高は3230万ユーロ(約38億円)で、従業員数は約1030人。ポルトガル子会社は1965年、チュニジア子会社は1982年にそれぞれ設立した。

■エアバッグ事業の継続的な成長目指す
東レはこれまでも基布供給を通じてアルバと良好な関係を築いてきたが、市場の変化に即応してエアバッグ事業の継続的な成長を図るため、縫製事業への参入を通じたサプライチェーン延伸による一貫型事業の高度化を加速することを目的とし、昨年からアルバとの間で同社買収の協議を進めていた。

今回の買収により、モジュールメーカーとそれを通じた自動車メーカーとの直接的な取り組みが強化され、最新のエアバッグ開発動向や顧客ニーズを迅速かつ確実にとらえることが可能になる。

同時に、アルバが持つ縫製の知見を基布設計に取り込み、原糸・基布・縫製一貫の強みを生かした製品開発力と提案力を強化することで、モジュールメーカーや自動車メーカーに対するプレゼンスを高め、高性能エアバッグの実現への貢献を目指す。

2019/8/29

 

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