フォルクスワーゲン(VW)はこのほど、ドイツの3Dホログラフィック技術開発会社であるSeeReal Technologies(本社:ドレスデン市)の少数株を取得したと発表した。出資額は公表していない。SeeRealは調達した資金を車載ディスプレー分野における拡張現実(AR)技術の研究プロジェクトに充てるとした。同プロジェクトは昨年末からドレスデンとルクセンブルクで進められている。


VWによれば、ARを活用した車載ディスプレーのアイデアとして、▽道路上の危険性のある場所がドライバーの周囲に3D映像として表示される▽コントロールパネルの代わりに、「触れる」ディスプレーが目の前に浮かぶ▽パートナーや電話での会話内容がホログラムとして表れる▽同乗者は空中に浮かんだ3Dのテトリスで遊べる――などの技術が近い将来に実現する可能性があるという。

■将来的にダッシュボードが廃止になる可能性も
VWが2020年以降に発売する予定の電気自動車(EV)の「ID.3」では、ARを活用したヘッドアップディスプレー(HUD)を通じて、周囲の環境に直接リンクした情報がドライバーの視界に表示される。将来的には従来型のダッシュボードが廃止され、バーチャル(仮想)のスイッチやディスプレーで車両をコントロールすることも可能になるとしている。

VWでイノベーション部門責任者を務めるアクセル・ハインリッヒ氏は「ARは次世代のモビリティやインタラクションを考えるうえで大きな要素になる」と語り、SeeRealの3D技術に関するノウハウを通じて同プロジェクトを進める意欲を示した。

2019/9/3

 

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