中国の車載用リチウムイオン電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL、本社:福建省寧徳市)は18日、ドイツ中部のテューリンゲン州アルンシュタット(Arnstadt)で初の海外工場の起工式を行った。新工場は2021年に操業を始める見通しで、2022年までに14ギガワット時(GWh)の生産を目指す。

CATLは昨年7月にドイツに海外初の工場を建設すると発表。同国の太陽電池パネルのメーカー、ソーラーワールド(Solarworld)から23万平方メートルの用地を取得した。当初は投資額を2億4000万ユーロ(約290億円)としていたが、今年6月には予定の7.5倍となる総額18億ユーロ(約2170億円)を投資すると発表している。

■最大2000人雇用へ
新工場の電池セルと電池モジュールの生産ラインは拡張段階で完成する。高い効率の生産を実現するため、物流や品質管理、操業維持、物品購入、開発部局など包括的なサポートチームがテューリンゲン州で編成される。CATL本社の技術、管理部門から専門家が加わり、ドイツ工場でのスムーズな立ち上げ期間を支援する。CATLは今年6月から現地に従業員の第1陣を派遣しており、2024/25年には最大で2000人の雇用が創出される見込み。

欧州CATLのマティアス・ゼントグラフ共同社長は「ドイツは強力な自動車産業とCATLの重要顧客の本拠地だ。ドイツの産業の伝統とCATLの革新的な技術を組み合わせることで、欧州の自動車産業の電動化が飛躍的に加速すると信じる」と述べている。

■研究機関とも協力
同社はBMWやフォルクスワーゲン(VW)、ダイムラー、ボルボ・カーズ、ボッシュなどの欧州企業との協力関係を育んできたとしたうえで、ミュンスター大学のバッテリー研究所(MEET)などドイツ国内の大学や研究開発(R&D)機関との協力も深めていくとしている。

2019/10/23

 

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