独フォルクスワーゲン(VW)は13日、米テネシー州のチャタヌーガ工場で、新型の電気自動車(EV)を製造するための複数の新棟の建設を開始したと発表した。投資額は8億米ドルに上るとしており、実質的には新工場の建設に匹敵する規模となっている。

■雇用創出は1000人
新棟では2022年からスポーツタイプ多目的車(SUV)タイプのEVである「ID.CROZZ」の生産を開始する予定。新規雇用創出は1000人を見込んでいる。EVを製造するための次世代モジュラー生産方式プラットフォーム(車台)である「MEB」を使用する。

新棟の床面積は56万4000平方フィート(約5万2400平方メートル)で、既存のボディ製造工程に隣接している。将来的には電池パックの生産工場もチャタヌーガ工場内に建設するとの方針を示した。

■世界8カ所でMEB車を生産
VWは今月4日にドイツ東部のツビッカウ工場で小型EV「ID.3」の量産を開始。EVの製造拠点として20年には中国・上海市の安亭鎮と広東省仏山市の各工場、22年までにドイツのエムデン、ハノーバーの各工場も加える考えだ。

同社は今後3年間でVWグループのすべてのボリュームブランドで合計33車種のMEBをベースにしたモデルの生産を立ち上げる予定。そのために欧州と中国、北米の計8カ所でMEB車を生産する体制を構築するとしていた。VWは28年までに世界で約2200万台のEVを販売する目標を掲げている。

2019/11/14

 

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