フィンランドの完成車受託生産会社のヴァルメト・オートモーティブ(Valmet Automotive)は21日、同国南西部のスオミ県サロ(Salo)市で自動車向け電池パックの生産工場を開所したと発表した。最初にラインオフした電池パックを顧客向けに出荷したとしている。


同社は今年5月に携帯電話機の工場からの改修工事を開始し、6カ月ほどで電池パック工場を開所させることに成功した。生産ラインを敷設したほか、物流施設なども新設したとしている。電池パック生産能力や投資額については公表していない。

同工場は2020年の前半にフル稼働となる見通し。従業員数はフル稼働時に300人と想定しており、現在も採用活動を進めているという。

ヴァルメトは1968年、フィンランドのヴァルメトとスウェーデンのサーブ―スカニアとの合弁会社として設立。69年からサーブ車の生産を開始した。92年にヴァルメト単独の所有となり、95年にヴァルメト・オートモーティブに改称した。

■電池セルはCATLが供給か
ヴァルメトの筆頭株主はフィンランドの投資会社であるポントス(Ponts)とベンチャーキャピタルのテシ(Tssi)の2社で、ヴァルメトに対する出資比率はいずれも38.46%。2017年には中国のリチウムイオン電池メーカー大手である寧徳時代新能源科技(CATL、本社:福建省寧徳市)から23.08%の出資を受けていた。このため、ヴァルメトの電池パックにはCATL製の電池セルが使用されている可能性が高いようだ。

2019/11/25

 

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