英政府の電力・ガス市場局(Ofgem)は3日、電気自動車(EV)の普及台数について2030年の時点で1000万台に達するとの予測を示した。同日に公表した「脱炭素化行動計画」の一環。英政府は2040年にガソリン車とディーゼル車の新規販売を禁止する方針を2017年に発表しており、その途中経過として2030年の数値を示したことになる。


■50年には3900万~4600万台
英国の2019年第3四半期(10~12月)の自動車普及台数は約3000万台で、このうち23万台がEVとなっている。2015年の5万台に比べると4倍以上に増えたが、1000万台には程遠い状態だ。だがOfgemは、2050年には国内を走行するほぼ全車両がEVとなり、普及台数は3900万~4600万台に達するとの展望を示した。

■V2GでEVオーナーに利益提供
EVの普及を促すための方策としては、補助金の増額よりもEVの電池を送電網に接続して充放電するV2G(ビークルツーグリッド)インフラの整備を重視している。具体的には、深夜や未明といった電力需要の少ない時間帯にEVを充電し、通勤・通学の直前時間帯や夕食前などのピーク時にEVから送電網に戻して売却することにより、EVのオーナーに利益を提供することで普及を促したい考えだ。

充電インフラの整備については気候変動対策委員会(CCC)の試算を引用している。4600万台のEVに必要な充電インフラは、高速道路の沿線に急速または超急速充電機が3500カ所、街中に設置される公共充電機が21万カ所とした。ただし、現在の充電インフラは3万カ所にとどまるとしている。

2020/2/4

 

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