調査会社大手の英IHSマークイットは25日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界の新車市場が前年比で12%減の7880万台に縮小するとの予測を発表した。今年1月に発表していた予測から1000万台の下方修正を行ったとしている。中国と欧州、米国の世界3大市場がすべて2けた減になるとみている。


世界の新車市場は金融危機があった2008年と2009年の比較でも8.0%減だったため、今回の新型コロナウイルスによる市況悪化のほうが自動車業界に与える打撃はより大きくなる恐れがある。

金融危機の際には震源地の米国では新車市場が大きく縮小したものの、中国市場が大きく伸びた時期でもあり、世界全体での落ち込み幅が目立たなかった。だが、今回は世界最大市場に成長した中国が震源地であり、欧米にも大きく波及していることから、世界全体での縮小幅が拡大したもようだ。

■中国は10%減の2240万台
IHSによれば、中国市場は前年比10%減の2240万台となる見込み。今年1月に発表していた予測から230万台の下方修正を行った。特に下半期(7~12月)には需要が回復するとみているが、新型コロナウイルスの蔓延が再発する恐れがある一方、政府の自動車需要喚起政策の効果が期待できるとしている。

■米国は15.3%減の1440万台
米国市場については15.3%減の1440万台と予測。今年1月に発表していた予測から240万台の下方修正を行った。米国ではトランプ政権が2兆米ドルに上る大規模な経済対策を打ち出しているものの、新車市場を完全に回復させるには不十分と予想している。米国での新型コロナウイルスの感染拡大がどの程度まで進むかによっても今後の減少幅は変動する。

■欧州は13.6%減の1560万台
欧州市場については、13.6%減の1560万台と予想した。今年1月に発表していた予測から190万台の下方修正を行った。

2020/3/27

 

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