ナトリウムイオン電池開発の英ファラディオン(Faradion)はこのほど、インド北部ハリヤナ州グルガオンに本社を置く新興企業のインフラプライム・ロジスティクス・テクノロジー(Infraprime Logistics Technology、IPLT)と協業すると発表した。インド市場の商用車向けにナトリウムイオン電池を共同で開発する。契約額は公表していない。


■原材料の安定供給と安全性に強み
ファラディオンによれば、同社の開発するナトリウムイオン電池はコバルトやリチウムなどの高価な素材ではなく、自然界に豊富に存在するナトリウムを使用していながら性能は従来のリチウムイオン電池と同等で、リチウムイオン電池に比べて熱安定性に優れている。そのため、電圧が0ボルト(V)の状態で安全に輸送することが可能という。

IPLTは重量物運搬車(HGV)のフリートサービス会社で、インフラ開発コストの削減に取り組んでいる。同社のSiddhartha Das上級会長は「HGVによるインドの大気汚染の深刻化を最小限に食い止めなければならない」としたうえで、「ファラディオンの技術により、インド市場に低コストで効果的なソリューションがもたらされると確信している」と述べた。

■インド国内での生産に意欲
ファラディオンは近年、米国や欧州、豪州などの市場で評価を高めており、今年4月には豪ICMオーストラリアからナトリウムイオン電池を受注している。ファラディオンのJames Quinn最高経営責任者(CEO)は「インド国内で近くナトリウムイオン電池の生産を開始したい」と述べ、インド市場への参入を本格化させる意向を示した。

2020/6/9

 

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