ポリアミド(PA)66樹脂を開発する米アセンド・パフォーマンス・マテリアルズ(Ascend Performance Materials)は14日、中国のNCM(本社:江蘇省常熟市)とTehe Engineering Plastic(本社:江蘇省蘇州市)の2社の資産を買収する契約を締結したと発表した。取得する資産は上海市から100キロメートルに位置する常熟虞山高新技術産業開発区にある。アセンドにとって中国で初の買収となる。8月には手続きを完了させる予定。買収額は公表していない。


アセンドは今回の買収により、アジア地域での成長に向けて柔軟性の高い拠点を獲得したと説明。世界各地の研究開発(R&D)センターと合わせた中国の複合資産を拡充し、自動車や電気・電子、エレクトロニクス、コンシューマー、工業分野に加えて3Dプリンティングや高機能フィルムなどの新規分野に注力していく方針を示した。

■自動車産業クラスターに好アクセス
同社のフィル・マクディビット社長兼最高経営責任者(CEO)は「今回の買収により、アジアの顧客への製品供給がますます円滑になり、将来的な市場の成長が支えられる」と強調。資産がある常熟虞山高新技術産業開発区について、「中国の自動車産業クラスターと上海市に近接し、急成長を遂げるアジアの新興市場に瞬時にアクセスできるハブとして理想的な選択肢だ」と述べた。

アセンドは高性能プラスチックや繊維・化学製品のグローバルサプライヤーで、世界最大級のPA66樹脂の製造設備を保有する。米テキサス州ヒューストンに本社を置き、米国内の5カ所の工場を含む世界9カ所に拠点を持つ。従業員数は世界全体で約2600人としている。

2020/6/16

 

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