インドの自動車大手タタ・モーターズ傘下の英高級車ジャガー・ランドローバー(JLR)はこのほど、ノルウェーの首都オスロ市に世界で初めて無線充電の電気自動車(EV)タクシーを導入することで合意したと発表した。無線充電のインフラモデルを提供することで、世界でEVの普及を促進できるとしている。


オスロ市は2024年第1四半期(1~3月)までにすべてのタクシーをEVとする「ElectriCity」計画を推進中。同国では販売されるすべての新車を2025年までにEVにすることが計画されている。

■3社と協業して充電インフラを構築
JLRは今回のプロジェクトで、スウェーデンのタクシー会社Cabonline(NorgesTaxi)やフィンランドの電力大手フォータム・リチャージ(Fortum Recharge)、技術開発会社の米モメンタム・ダイナミクス(Momentum Dynamics)と協業し、タクシー向けの無線充電インフラを構築する。

フォータム・リチャージは充電システムの設置と電動化をサポートし、モメンタム・ダイナミクスと連携して無線充電インフラの統合作業を行う。JLRはモメンタム・ダイナミクスの無線充電技術を利用できるように設計されたジャガーブランド初のEVであるスポーツタイプ多目的車(SUV)の「Iペース(I―PACE)」をCabonlineに25台提供。Cabonlineが同市のElectriCity計画の一環として同車両を運用する。

また、JLRとモメンタム・ダイナミクスは両社のエンジニアと技術者でチームを構成し、ソリューションの実験をサポートする。

■インダクション技術を採用
JLRによれば、今回のプロジェクトではタクシー乗り場の路面に設置された複数の充電用プレートと車両のレシーバーをリンクさせる「インダクション(Induction)」技術を採用する。充電用プレートは50~75キロワット(kW)で、乗客を待つ間に車両を充電することが可能。プレートと車両をケーブルで接続する必要がなく、平均6~8分間で最大50kWの充電が自動的に行われる。

車両が1日に複数回タクシー乗り場に戻ってくることで充電状態を維持し、走行距離を制限することなく24時間運用することが可能としている。

2020/6/30

 

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