フォルクスワーゲン(VW)は2日、カメラによる画像認識技術と人工知能(AI)を組み合わせたソリューションの「コンピューター・ビジョン」を活用することで数千万ユーロのコスト削減が可能になると明らかにした。アウディとポルシェの工場で採用されたソリューションをVWグループの全工場に展開する方針だ。


■プレス部品の微細なひびを検知
アウディの工場ではプレス工程でコンピューター・ビジョンを採用しており、カメラが撮影した製品表面の画像を機械学習(マシンラーニング)ソフトウエアで過去のデータと比較し、評価することで微細なひびの有無を検知するシステムを開発した。

ポルシェの工場では、生産中の車両に貼付されたラベルをカメラが撮影し、ラベルに書かれている言語が仕向け地の言語であるか、ラベルの内容が車両と食い違っていないかなどをAIが判断し、従業員にフィードバックするシステムを導入している。同システムを導入したことで1台当たり数分のロスを防ぐことができたという。

■60人の専門チームを新設
VWはこれらのソリューションをグループの全工場に展開するために約60人の専門チームを新設。各工場に展開した後は販売やアフターセールスといった部門でも画像認識・AIソリューションの活用を目指すとしている。

2020/7/3

 

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