米フォード・モーターの欧州法人はこのほど、商用バンの「トランジット・カスタム」と「トルネオ・カスタム」のプラグイン・ハイブリッド車(PHV)に、都心部で自動的に電気自動車(EV)モードに切り替わるシステムを搭載すると発表した。これにより、最も排ガス削減が求められている都心部の大気汚染を低減することができる。同システムは今秋から利用可能となる予定だ。

■位置情報データを活用
同システムは位置情報データを活用したジオフェンシング技術を導入し、車両が渋滞区域や低排出区域などの所定のエリアに入ると自動的にEVモードに切り替わるというもの。

フォードによれば、EVモードは電池の充電量が十分である場合にのみ作動する。都心部だけでなく、学校や子どもの遊び場の近く、倉庫街など、低排出量の運転が推奨されるエリアを独自に「グリーン・ゾーン」に設定することが可能。車両が所定のエリアを離れると、エンジンを作動させるなど、目的地までの走行距離に応じて自動的に適切な運転モードに切り替わるという。

■後付けの搭載も可能
EVモード自動切り替え機能を持つジオフェンシングモジュールは今秋から導入され、それ以前に生産された車両についても後付けで搭載することが可能という。

トランジット・カスタムとトルネオ・カスタムのPHVは、出力13.6キロワット時(kWh)の電池を搭載し、EVモードの航続距離はNEDC(新欧州ドライビングサイクル)でトランジット・カスタムが最高56キロメートル、トルネオ・カスタムが同53キロ。排気量1000ccの「エコブースト(EcoBoost)」ガソリンエンジンを作動させることにより、航続距離は500キロ以上に達する。

2020/7/9

 

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