BMWは9日、電気自動車(EV)などの電池の主要材料となるコバルトの調達について、モロッコ企業のマナジェム・グループ(Managem Group)と契約を締結したと発表した。契約期間は2020~25年で、調達額は1億ユーロ(約121億円)としている。


コバルトを巡っては、主要な産出国であるコンゴ民主共和国で子どもが劣悪な環境で採掘に従事しているとの指摘があるほか、需要拡大による値上がりの懸念もある。このため、BMWは持続可能な調達を確保するため、今回の契約を締結した。

今回の契約では第5世代の電動ドライブトレインに必要なコバルトの総量のうち5分の1に相当する量を確保した。残りの5分の4については豪州で調達することになっており、コンゴ産のコバルトに依存する必要がなくなる見通しとなった。

■CATLとサムスンSDIが電池セル生産に使用
BMWはマナジェムなどとの契約で確保したコバルトを電池メーカーの寧徳時代新能源科技(CATL)とサムスンSDIに供給する。BMWとCATLの契約は期間が2020~31年で調達額が73億ユーロ(約8830億円)、サムスンSDIとの契約は期間が2021~31年で調達額が29億ユーロ(約3510億円)に上る。

BMWは2023年までに25モデルの電動車を投入する計画で、このうち過半数がEVになるとしている。また、2021年以降は電動ドライブトレインにレアアースを使用しないことが決まっているという。

2020/7/10

 

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