フォルクスワーゲン(VW)は3日、アフリカ西部のガーナでVW車を生産する工場が開所したと発表した。最初に製造したモデルはスポーツタイプ多目的車(SUV)の「ティグアン」だった。


■首都のアクラ市で開所

同国で2005年からVW車の販売を手掛けている地元企業のユニバーサル・モーターズがVWから生産を受託し、ガーナの首都アクラ(Accra)市に工場を建設した。

セミノックダウン(SKD)方式で、年産能力は5000台となっている。ティグアンのほかに大型SUVの「テラモント」やセダンの「パサート」、小型車の「ポロ」、ピックアップトラックの「アマロック」を生産する。

アカラ工場はVW車の生産拠点としてはサブサハラ地域(サハラ砂漠より南)で5カ所目。残りの4カ所は南アフリカ、ケニア、ナイジェリア、ルワンダとなる。

■現地法人を立ち上げ

ユニバーサルの工場開所と同時にVWは完全子会社のフォルクスワーゲン・ガーナを設立したと発表した。SKDキットと完全輸入車(CBU)の輸入業務を所管することになっており、2019年8月にガーナ政府が導入した自動車産業発展政策(GADP)登録企業の第1号となった。

GADPでは、SKD生産を行う自動車メーカーに対しては5年間、CKD生産を行う自動車メーカーには10年間にわたって法人税が免除されるなどの恩典が付与されるほか、機械や部品の輸入関税も減免される。その一方で、新車と中古車の輸入関税は引き上げられ、国内に進出したメーカーを保護する方針を打ち出していた。

2020/8/4

 

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