調査会社のJDパワーが9日発表した中国の商品魅力度(APEAL)調査で、フォルクスワーゲン(VW)グループ傘下のポルシェが前年に続き、高級車を含めた全ブランド中の首位に立った。量販車の首位は745点のビュイックで、前年の712点から大きく改善し、高級車の業界平均と並んだ。


日本車ではレクサスが全体の5位に入ったほか、東風日産が全体の7位(量販車の2位)と前年の8位から上昇。一汽トヨタは前年の24位から8位に浮上し、広汽ホンダが10位に入った。

前年には高級車の業界平均を上回り、量販車の首位だった東風悦達起亜は量販車の6位に順位を下げている。広汽伝祺(トランプチ)が11位となり、前年に続いて中国の自主ブランド車では最高となった。

■業界平均は20ポイント増の732点、量販車が大きく改善

同調査は、新車を購入したユーザーから車両の外観や内装、走行性能、ACEN(オーディオ、通信、エンターテインメント、ナビゲーション)などの魅力について評価を求め、1000点満点で指数化したもので、点数が高いほど評価が高いことを示す。

全国70都市で昨年6月~今年6月に新車を購入した3万2046人からの回答を集計しており、57ブランドの241モデルが対象となった。調査期間は昨年12月から今年8月まで。内外装やスペース・室内空間、座席、エアコン、インフォテインメント機器、ドライビング・ダイナミクス、エンジンとトランスミッション、安全性、燃費など10のカテゴリーについて調べた。同調査は今年が18年目となる。

全体の平均は732点で、前年から20ポイント改善した。19年は8ポイントの改善だった。高級車の業界平均は745点と5ポイント改善。量販車の平均は729点と22ポイント改善した。

■部門別ではビュイックとホンダが3部門で首位

ビュイックとホンダがそれぞれ計18部門中3部門で首位となった。両社に次いで多かったのはポルシェとメルセデス・ベンツで、それぞれ2部門を制した。

独フォルクスワーゲン(VW)と日産自動車、インフィニティ、起亜自動車、長安汽車、吉利汽車、広汽伝祺、宝駿がそれぞれ1部門で首位となっている。

■韓国ブランドの得点が低下

国別では、韓国ブランドの得点が734点と前年を3ポイント下回った。米国ブランドは713点から737ポイント点に上昇。日本ブランドは737点、欧州ブランドは736点とそれぞれ20ポイント、14ポイン改善した。中国の自主ブランドは683点から718ポイント点と大幅に上昇したが、まだ改善の余地があるとしている。

JDパワーのゼネラルマネジャーのカイ氏は、市場競争が激化するなか、自動車メーカーは消費者の嗜好やニーズの変化に対応し、新型車の発売を続けているとしたうえで、特に素材や機能、外観が均質化しているため、より魅力的な製品をつくることができていないと指摘。設計と開発の初期段階で、顧客の個別のニーズを考慮する必要があると述べている。

JDパワーはAPEAL調査について、初期品質調査(IQS)と対をなすものと位置付けている。IQSは新車購入後に消費者が経験した不具合といったマイナス面に焦点を当てるが、APEALでは魅力度というプラスの面を調査する。







2020/10/12

 

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