英自動車工業会(SMMT)は22日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が「協定なき離脱」となった場合、英国で販売されるEU製の自動車の価格は平均で1900ポンド(約26万円)上昇し、電気自動車(EV)は平均で2800ポンド(約38万4000円)値上がりすることになるとの試算結果を明らかにした。


■関税でEV購入補助金を相殺

SMMTは、協定なき離脱に伴う関税導入でEU製EVの英販売価格が2800ポンド上昇し、3000ポンド(約41万2000円)のEV購入補助金がほぼ相殺されると試算。これにより英国のEV需要が来年、少なくとも20%落ち込み、同国の排出量削減目標の達成が困難になると指摘した。

今年1~9月の英国の乗用車販売台数は前年同期比33.2%減の124万3656台と2けた減を記録しているが、このうちEVは165.4%増の6万6611台と急伸している。

英政府は今年2月、ガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車の販売禁止の時期をこれまでの計画よりも5年前倒しし、2035年から実施すると表明。ハイブリッド車(HV)の販売も禁止する方針だ。

■英国産EVは27万円超値上がり

SMMTはまた、協定なき離脱により、EUで販売される英国産のEVに2000ポンド(約27万4000円)の関税が掛かり、電動モビリティでグローバルリーダーを目指す英自動車産業の国際的競争力が損なわれると述べている。

2020/10/23

 

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