帝人は3日、アラミド(芳香族ポリアミド系樹脂)事業を展開するオランダのテイジン・アラミドがパートナー企業との共同により、バイオ由来の原料を使用したパラ系アラミド繊維「トワロン」の生産技術を開発したと発表した。


トワロンは軽量で優れた強度や耐久性を持ち、自動車、航空用コンテナ、防護服など幅広い用途で使用されている。生産には従来、石油由来原料が使用されており、バイオ由来原料による生産技術はなかった。

■原料の92%がバイオ由来

テイジン・アラミドは持続可能な社会の実現に貢献するため、BTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)製品を製造するオランダのBioBTX、Syncomとともに、2018年からバイオ由来原料を使用したトワロンの生産技術について検討を進め、使用済みの植物油脂由来の成分を使用し、原料の92%がバイオ由来であるトワロンのパイロット生産に成功した。

バイオ由来の原料を使用したトワロンは、石油由来原料を使用した従来のトワロンが持つ軽量、高強度などの特性を有し、製造プロセスの二酸化炭素(CO2)排出量を、従来に比べて大幅に削減できることが確認されたという。

テイジン・アラミドは、バイオ由来原料を使用したトワロンの本格生産に向け、研究開発を進めるとしている。

2020/12/4

 

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