独フォルクスワーゲン(VW)は8日、中国・安徽省合肥市に電気自動車(EV)の研究開発(R&D)センターを開設したと発表するとともに、同市で2022年末までにEV工場を建設し、23年からEV専用プラットフォーム(車台)「MEB」を採用した新型車の量産を開始する計画を明らかにした。年産能力は最大35万台としている。

■EV開発サイクルを大幅短縮

合肥市のR&Dセンターでは2025年までにエンジニアと技術者を計500人雇用する予定。合肥市の生産拠点では、R&D、サイマルテニアス・エンジニアリング(同時並行開発)、フル機能のプレシリーズ製造とテストを1つの施設に統合。MEBを採用することにより開発サイクルをスピードアップし、新製品の市場投入までの時間を大幅に短縮するとしている。

VWは今年5月、安徽省合肥市に本社を置き、EV事業で提携する安徽江淮汽車(JACモーターズ)の親会社である国有自動車メーカーの安徽江淮汽車集団(JAG)の株式50%を取得することで合意。VWとJACの折半出資の合弁会社である江淮大衆汽車(JAC Volkswagen Automotive)に増資を行い、出資比率を75%に引き上げるとともに、江淮大衆汽車の社名を大衆汽車(安徽)に変更していた。

VWのディース最高経営責任者(CEO)は、大衆汽車(安徽)がVWグループの電動化とデジタル化に占める中国の役割を強化するとコメント。VW中国のヴェレンシュタインCEOは、大衆汽車(安徽)へのコミットメントによりグループのグローバルな相乗効果を最大限に活用し、中国でのeモビリティ戦略を強化し、2050年のカーボンニュートラル達成を支援すると述べている。

2020/12/9

 

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