燃料電池車(FCV)と電気自動車(EV)を開発する新興自動車メーカーの米ニコラ・モーター・カンパニー(Nikola Motor Company)は23日、ごみ・廃棄物処理大手の米リパブリック・リソーシズ(Republic Services)向けのごみ収集トラックの供給契約が解除になったと発表した。ニコラは今年8月、リパブリックからEVのごみ収集トラック2500台を受注したと発表。2022年前半から公道試験を開始する見込みとしていた。


■両社にとって「正しい決断」

ニコラは、両社のレビューの結果、さまざまな新技術と設計コンセプトの組み合わせにより、予想よりも長い開発時間と予期しないコストが発生することが分かったことから、リパブリック向けのごみ処理トラックの開発プログラムを中止することを決めたと説明。ニコラのマーク・ラッセル最高経営責任者(CEO)は「必要なリソースと投資を考えると、これは両社にとって正しい決断だった」と述べている。

米ゼネラル・モーターズ(GM)は9月、ニコラと資本・業務提携すると発表し、ニコラのEVピックアップトラック「バジャー(Badger)」を2022年末までに受託生産し、ニコラ株の11%を取得するとしていたが、11月30日にはバジャーの受託生産は取りやめると発表。ニコラが開発中のクラス7~8の大型トラック向けの燃料電池(FC)供給にとどめ、出資も撤回するとしている。

ニコラはリパブリック向け供給契約解除の声明のなかで、2021年に米国でEVセミトラック「TRE」の納入を開始するロードマップを策定したと発表。同年には初の商業用の水素ステーションも稼働する予定で、23年には米アリゾナ州ピナル郡クーリッジ市の同社初の工場で燃料電池車(FCV)セミトラックを生産するとしている。

TREは、農機・建機・商用車大手CNHインダストリアル傘下の商用車メーカーであるイベコ(IVECO)と共同開発し、独南西部バーデン=ヴュルテンベルク州ウルム(Ulm)にあるイベコの工場で生産する。

2020/12/25

 

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