中国の浙江吉利控股集団の傘下にあるスウェーデンの高級車メーカー、ボルボ・カー・グループ(ボルボ・カーズ)は7日、ベルギーのヘント(Ghent)工場の電気自動車(EV)生産能力を2022年までに3倍に増強すると発表した。EVの「リチャージ(Recharge)」シリーズの急速な需要増に対応する。


■2モデル目のEVの生産を準備

ヘント工場では「XC40」のプラグイン・ハイブリッド車(PHV)に続き、昨年10月には同社初のEV「XC40リチャージ」の生産を開始。同工場では現在、2番目となるEVを今年後半に生産する準備を進めている。生産増強により22年までにヘント工場の生産能力の約60%をEVが占めることになる。

ボルボ・カーズは今後数年のうちに複数のEVを発売する予定で、25年までには世界販売台数の50%をEVとする目標を掲げている。

同社は、世界各国の工場でもEVの生産能力を高める方針で、次世代ボルボ車用のモーターの社内設計と開発にも大規模な投資を行っており、今後数年間で7億スウェーデンクローナ(約88億7000万円)を投資する計画。先月には、2020年代半ばまでにスウェーデン南部ショブデのパワートレイン工場で、モーターの完全な自社生産を確立する計画を発表した。

■20年の世界販売台数6.2%減、上期に低迷も下期に回復

ボルボ・カーズは7日、2020年の世界販売台数(小売りベース、暫定値)が前年比6.2%減の66万1713台だったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で上半期(1~6月)には前年同期比20.8%減の26万9962台に落ち込んだが、下半期(7~12月)は7.4%増の39万1751台に回復した。

20年の地域別の販売台数は、中国が7.5%増の16万6617台、米国が1.8%増の11万129台だった。欧州では新型コロナのパンデミック(世界的大流行)関連の規制により新車市場全体が低迷した影響で、15.5%減の28万7902台となった。

パンデミックにより、20年のオンライン販売は19年に比べて2倍以上となった。同社は21年もオンライン販売に注力する方針。

20年のモデル別の販売台数は、「XC60」が19万1696台でトップ。これに「XC40」の18万5406台、「XC90」の9万2458台が続いている。

2021/1/8

 

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