独フォルクスワーゲン(VW)は1月29日、部品事業統括ブランドのVWグループ・コンポーネンツが電気自動車(EV)などで使用したリチウムイオン電池をリサイクルするための試験工場を開所したと発表した。VWグループとして初の施設としている。

■転用ではなくリサイクルに特化

同試験工場はニーダーザクセン州ザルツギッターに所在する。使用済みのリチウムイオン電池を固定式の電池システムなど、ほかの用途に転用するのではなく、リサイクルに特化した施設となっている。

希少金属とされるリチウムやニッケル、マンガン、コバルトなどを使用済み電池から取り出すことを目的としており、すでにリサイクル技術が確立されているアルミニウムや銅、プラスチックと同様にリサイクルし、電池材料に再生する。

■使用済み電池は20年代末から増加

VWは、使用済み電池は2020年代の末ごろから本格的に増えると想定しており、当面は同工場のリサイクル能力は年間3600台分、重量にして1500トンにとどまるものの、将来的な拡充も可能となっている。

EV1台当たり62キロワット時(KWh)の電池を搭載した場合、電池をリサイクルしたことによる二酸化炭素(CO2)の排出削減量は1.3トンに相当するとした。

2021/2/1

 

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