米フォード・モーターは2日、南アフリカのシルバートン工場の改修に総額で10億5100万米ドルを投資すると発表した。新型ピックアップトラックの生産準備などに充てる。フォードが同国に進出して以来、97年間で最大規模の投資となる。

■VW向けピックアップも生産

フォードは中型ピックアップトラックの「レンジャー」の次世代モデルを2022年から生産するために改修を行う。同工場で生産したレンジャーは南アフリカと周辺諸国で販売するだけでなく、100カ国以上に輸出する計画となっている。

提携先であるフォルクスワーゲン(VW)に供給するピックアップトラックも同工場で生産する予定だ。フォードとVWは昨年6月、レンジャーの車台ベースのピックアップトラックをVWでは「アマロック」として2022年中に発売すると発表していた。

■年産能力は20万台に増加

今回の投資により、同工場の年産能力は16万8000台から20万台まで増える。新規雇用創出は1200人で、同工場の従業員数は5500人まで増える見通し。南アフリカ国内のサプライヤーなどで1万人の間接雇用も創出されるとした。

■ボディとスタンピングの工程を新設

10億5100万米ドルのうち、シルバートン工場内での投資額は6億8600万米ドルで、ボディ製造工程やスタンピング工程、研修施設を新設するほか、塗装工程や最終組立ラインの改良も行う。特にスタンピング工程では「ブルーライト・スキャナー」を導入することで、最高水準の品質を実現するとした。

残りの3億6500万米ドルはレンジャーのサプライヤーの工場での投資に充てられる。各種ツールや金型などのアップグレードを行う。

2021/2/3

 

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