独ダイムラーの商用車部門ダイムラー・トラックと独立系のエンジン・メーカーである米カミンズは8日、中型商用車用エンジン・システムに関する世界規模の戦略的提携関係を構築する覚書を締結したと発表した。


カミンズはダイムラー・トラック&バス向けの中型車用エンジン・システムのさらなる開発と、この10年間の後半に開始するカミンズによるダイムラー・トラック&バス向け中型車用エンジンの世界規模の生産・販売に投資する予定。両社はまた、他の協業機会について検討中であることも明らかにした。

■ダイムラーの独工場でカミンズがエンジン生産

カミンズは、ダイムラーの独マンハイムのメルセデス・ベンツ工場構内にエンジン工場を設立し、既存のリソースを効率的に活用してメルセデス・ベンツの商用車向けに次期排ガス規制の「ユーロ7」に準拠した中型車用エンジンを生産する。

ダイムラー・トラックによる現在の中型車用エンジン(MDEG)の生産は、マンハイム工場でのカミンズのエンジンの生産開始とともに終了する。次の段階で両社は、パワートレイン・コンポーネントやエンジン・システム・コンポーネントなどの領域でシナジー効果が期待できる点を特定し、より広範囲の世界規模の戦略的協力関係について検討する。

戦略的提携に伴い、ダイムラー・トラックとカミンズはマンハイム工場の雇用の維持を図る。カミンズは、既存の拠点と他のすべての地域の生産・サプライチェーン・ネットワークを他のダイムラー・トラックのブランド(ダイムラー・トラック・ノース・アメリカのブランドを含む)で活用できるようにするという。

■ダイムラーの大型車用エンジンの生産は継続

ダイムラーの大型車用エンジン・プラットフォーム(HDEP)のエンジン群は今後もマンハイム工場と米ミシガン州デトロイトの生産ネットワークによって製造され、大型トラックやキャンピングカー、サードパーティー製品に装備される。

2021/3/9

 

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