米フォード・モーターは16日、トルコのコチ財閥との合弁会社であるフォード・オトサンが同国北西部コジャエリ(Kocaeli)県の工場で2023年前半から欧州市場向けに商用バン「トランジット・カスタム」の次世代モデルを生産すると発表した。内燃機関車に加え、電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)も生産する。フォード・オトサンは昨年12月、コジャエリ工場に20億ユーロ(約2595億円)を投じ、自動車と電池の生産能力を増強すると発表していた。

コジャエリ工場ではトランジット・カスタムのほか、トランジットをベースにした多目的車(MPV)の「トルネオ・カスタム」を生産。ラインアップには、内燃機関車とEV、HVのほか、マイルド・ハイブリッド車とプラグイン・ハイブリッド車(PHV)も含まれる。

フォード・モーターは先月、2030年までに欧州で販売する乗用車をすべてEVとし、HVやPHVを含む内燃エンジン搭載車の販売を終了すると発表。商用車についても30年までに欧州の販売台数の3分の2をEVとPHVが占めると予想している。

同社は、欧州の規制を満たすために炭素排出量を削減する必要がある配送業者に電動バンを販売することで利益を得ることができるとしている。

■VWの次世代LCVも生産

フォード・オトサンのコジャエリ工場では、フォードと独フォルクスワーゲン(VW)との提携の一環として、VWの次世代の1トン小型商用車(LCV)も生産する計画だ。両社は昨年6月、提携契約に調印。LCVの相互供給やEVプラットフォーム(車台)の共用、自動運転技術の共同開発などを提携の柱としている。

2021/3/17

 

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